くんくん哲学と修行中ヨーギ

哲学者くんくんと修行中ヨーギの日常会話

カリユガ

ひとつき家を離れるので冷蔵庫の中身やら家の中のあれこれを

その間、上手く回るように調整する。

たとえば男二人では手が出せない(調理ができない)野菜を

使い切るとか、掃除機をかけるのがせいぜいで、きっと雑巾がけ

などしないだろうから床やら壁、ドア、窓ガラスなど掃除するとか。

 

くんくんは家の鍵をしめるのが面倒くさいようで、出かけるときに

私がそばにいると、必ず「鍵お願い」という。

気持ちはとてもわかる。

 

「来月にならないと帰らないんだっけ?

じゃ、今月最後の鍵、よろしく」

くんくんが会社に行く前にいう。

 

昭和の中頃までは家を出るとき、昼間は鍵などかけなかった。

良い時代だったなあ、というと、

「カリユガにふさわしい」とくんくん。

 

一瞬、なんだっけな?とはてなになる。

 

「この時代の終わりにはカルキが現れるだろうね」

 

あ、そうか、あれか。

インドの哲学の宇宙的時間の数え方というか、論理で、

循環する4つの時代がある。

 

クリタ・ユガ

トレーター・ユガ

ドヴァーパラ・ユガ

カリ・ユガ

 

創造から破壊までのサイクルで、最初は善しかないような

サッティヤな時代。

第二の世界では人間はさまざまなことを学ぶ。

第三の世界は正義は衰退、病や苦難に見舞われ混乱、解脱に向かう人もいる。

そして現代は第四世界。

カリ・ユガであるとされる。

戦争、争い、悪がはびこり富をなす。

 

その時にカルキが現れ、この世界を破壊しまたサッティヤに戻るという話。

ノアの箱舟に似たような話です。

 

ちなみにカルキはヴィシュヌの唯一まだ現れていない化身の一人だ。

(ヴィシュヌには化身がいっぱいいる)

 

朝、起きたてでまだ頭が働いていない時間でもくんくんはこんなことを

ポンと言ってくるので、つねに頭がそっちにないと一瞬対応できない。

とは言い訳です。

 

「そんなだからだめなんだよ、あなたは」

 

と言い捨て、くんくんは今日も鍵をよろしくと出て行った。

 

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