くんくん哲学と修行中ヨーギ

哲学者くんくんと修行中ヨーギの日常会話

世界のお話から~ドイツのニーベルンゲン~ギリシャ神話よりアキレス~インド神話よりラーマの誕生~

「どこにでも似たような話はあるもんだよ」

 

インド神話の話をすると、くんくんが言う。

 

ジークフリートが竜の血を浴びて、どんな刃物でも通さない無敵になるところが、

 

菩提樹の葉だったか、何かが背中について、

 

その部分が弱点になって背中を刺されて死んだっていう話とかね。

 

ドイツの戯曲ニーベルンゲン、元は北欧神話って言われてる。」

 

 

「アキレスもそうだよね。

 

意図的に不死身の体を作ろうとしたんだけど、人間の部分を残すために

 

あえて神の加護を与えなかった。」

 

 

アキレスは無敵になる泉かなんかにこどもの時につけられて

 

その時月桂樹だったかな?なんかの葉っぱがひらりと脚にくっついて

 

その部分が無敵にならなかったんじゃなかったっけ?

 

ギリシャ神話は高校生の頃ちょっと読んでた。

 

耳なし芳一的な話って結構あるよね。

 

 

インド神話で言えば、魔人ラーヴァナの話。

 

ヴィシュヌがラーマとして生まれてきた理由。

 

”神にも悪魔にも殺されない”という恩寵をブラフマンから受けた魔人ラーヴァナ。

 

 

ブラフマンは修行さえ積めばどんな悪人にも加護を授けるからね。

 

それで厄介ごとが起る。」

 

そうなんだ? もう、ブラフマンったら。

 

そのラーヴァナが人間のことを甘く見てて”人間にも殺されない”というのを

 

入れるのを忘れたので、ヴィシュヌが人間であるラーマに生まれてきた。

 

 

どんなに完璧に見えても弱点はあるっていう、戒めなのかな。

 

くんくんと話をしていると、付属していろんな話が聞けるのでとても楽しい。

 

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宗教に救われるのは

くんくんとは宗教の話をよくする。

私たちは無宗教だ。

だから公平に?客観的にそんな話が出来るんだろうと思う。

 

どの宗教でも、その地にそれを布教させるために、もともとの土着の宗教を迫害してきた歴史があるのだけど、特に人数の多いキリスト教はいろんなところでそういう話を聞く。

かつてフィンランドでも、キリスト教に塗り替えていくために、聖地とされてきた場所に教会を建て、もともと信仰されていた神さまの名前の意味を悪魔にしてしまうということをされてきた。

 

”perkele”は悪魔という意味だけど、もともとはフィンランド神話の中の雷神だ。

ウッコよりもっと古い神さま。

だけど、「悪魔」という意味にされてしまった。

今ではスラングで人への罵り言葉になってしまっているというので泣けてくる。

 

そうやって宗教は人のSoulの中にぐさぐさと入り込んでくる。

そんな話をしたら、

「どんな宗教でもやってることだよ」

といって色々教えてくれた。

 

フェニックス不死鳥もユダヤ教の中では”悪魔”らしい。

もとは古代エジプト神話の中の死んでも蘇る不死鳥。火の鳥とも言われる霊鳥だ。

 

「自分たちの唯一の神ではない土着の神を悪魔にしてしまうのはよくあること。」

 

「我々が偉大なるユダヤの王がソロモンの72の悪魔を支配する。

72の悪魔の中にはアーモン=アメンラーもいる。」

 

アメンラー、つまり、エジプトの太陽神だ。

 

「いろんなところで起きているんだよ、ゾロアスター教の悪魔の中にインドラいるからね。」

 

え!

雷と戦いの神インドラが?

 

そういえばフィンランドのウッコはインドラかもしれないな。

自然の偉大なるものを神さまに見立てるのはそれこそ世界中の人々がそうしている。

 

アブラハムの宗教は特に。」

 

キリスト教ユダヤ教イスラム教、の三大宗教をそういうんだそうだ。

どれも結局は同じ神さまを敬っているのに、こっちが唯一であると戦っているのは、何故だろうね。

同じ神さまを敬ってるんだから、仲良くしたらいいのにね。

 

ヴィシュヌも言ってるし。

”あなたが神の名を何と呼んでも良い。それは結局はヴィシュヌのことなのだから。”

最強ですね、ヒンドゥー教

ずるい、っていうか。

 

他の宗教の神さまを取り込んでいくこともある。

「なんならギリシャ神話の神さまの中にもよその地域で信仰されてた神さまがいる、その上でトップ”ゼウス”だって話。」

 

宗教は政治活用されていて、民衆をコントロールするのにも使えるから。

我が国でも見られます。

 

くんくんが昔言ってたこと。

 

「宗教に救われたという人がいるなら、そう思う心が自分を救ったんだよ。」

 

 

 

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生まれてきた意味

今日もお昼にお蕎麦を食べながらくんくんが言う。

 

「何のために生まれてきたか意味を求めるのはナンセンスだよ。

産まれてきたことや今、生きていることに意味があるなら、

じゃあ、意味があるなら死ぬのか?と。」

 

つい、使命とか自分のこの世に生まれてきた課題とか考えちゃうけどね。

そういうことではなくて?

 

「ただ、生きている。それが事実。

何もないよ。必要だから生きている。」

 

何かをしないと生きていてはいけないんじゃないか?と悩む人はいなくなりそうだ。

 

この前、このくんくん哲学と修行中ヨーギをいつも読んで下さっている方から

”くんくんが考える今回の試練(コロナ禍)とは?”

と聞かれて、くんくんに訊ねてみた。

 

くんくんは普段と何の変わりもなく過ごしている。

(会社は途中からテレワーク、花粉症なのでそもそもこの時季はマスクをしている。)

 

「そうなるようになっていた。

今見ているものがすべて。

ただそういう事実があるだけ。

 

重要なのは現状が自分に何を与えるか?

感情だのあれこれ、要するにいつも通りだよ。」

 

今起っていることに対して自分がどうするか。

確かにそうだ。

環境も考え方も違う。

 

私は世界中こんな風になるとは想像していなかったけど、こういうとき、一番コワいのは”人”だなとは思っていた。

 

コワいというのはちょっと違うかもしれないけど、ストレスが高まって、心のコントロールができなくなることもあるだろう。

誰かを非難することで自分を守りたくなったり、実際、仕事ができなくなって生活していけなくなれば、事件は起こるだろう。

 

自分と意見が違うものに対しては”正義”という名の下に非難する。

意見があっても黙っているべきとは言ってない。

言ってどうにか解決に向かうなら感情をのぞいた上で言えばいいし、どうにもならないただの愚痴や、矛先を間違ってはいけないと思うのだ。

 

コロナにかかって申し訳ありません、なんて謝ることを何故求める?

誰がうつしたとか、うつされたとか。

感染経路を調べるのは専門家にお願いしておく。

次の予防のために。

 

自分らしく居続けるよう真ん中にどんとしていよう。

今できることはたくさんあるけど、それをすることで自分が幸せを感じることをしたらいいよね。

ストレスにつぶされそうになったら空を見上げて深呼吸しよう。

 

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魂が傷つく

「あなたを見ていると、体と心は傷ついたことはあっても、魂は傷ついたことがないようですね。」

くんくんが言った。

 

え?どういうことかな。

 

よく、”何も悩みなんかないように見えるね”とか

言われるけどそういうことかな?

 

「違うよ、そういうんじゃなくて。

なんか、お母さんはいつも楽しいことが先に待っていると思って生きているように見えるんだよ。」

 

ああ、確かに、それならそうかもしれない。

 

「魂が一度でも傷ついたことのある人は、もう傷つけられまいと思って生きる。

マイナスからの脱却なんだよ。

だけどお母さんはこの先にいつも楽しいことがあるに違いないっていうプラスの生き方だから、魂が傷ついた経験がないんだなと思う。」

 

くんくんはあるの?

 

「日々すり減っている。ずっと昔から。」

 

かわいそうに。

それは前の人生で?

 

「前の人生などないよ」

 

生まれ変わる前の記憶が残っているの?

 

「唯一だよ。ずっと続いている。連綿と。」

 

ふぅぅむ・・・

どういうことか。

私がこの意味を理解できるのはもう少し先かも知れない。

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コロナ商売

COVID-19で儲けようとしてる人、

詐欺を働いている人、いるよね。

(はからずとも利益が上がったマスクやトイレットペーパーの会社などはのぞく)

 

震災の時に、津波が来てたくさんの家が流された翌日には大手の不動産をやっている企業の中には材木を買い占めたのもいる。

 

避難所に避難してる間に火事場泥棒で盗みに入る人達がいた。

 

そういう人ってろくな死に方しないと思わない?

怒りをこめて、そうくんくんに言った。

 

するとくんくん、

 

「気を張ってないとならない時点でろくな生き方してないよ」

 

確かに。

死ぬ前に生き方だね。

いつばれるか、いつ後ろから刺されるかと緊張して生きてなきゃならないなんて。

 

素直にそのままを信じたり、何にも煩わされないで生きてたらそんなに楽なことはないね。

 

相変わらず暇な私である。

 

くんくんはそれを見計らって私に読んで欲しい漫画をよこす。

 

会社に行ってる間に読んでおいてと言わんばかりに、私のフィンランド語の勉強ノートの上に置いていく。

 

面白いと思ったものは共有したいんだよね。

 

わかるけど、私はやることがたくさんある。

 

暇、って言ったばかりだけど。

 

夜、会社から帰ってきたくんくん、私が本を読んでいないのに気付いて、一話だけでも読んでみてという。

 

今日はもう疲れたから、と私。

 

その数秒後に何の気なしにフィンランド語の本をぱらっと開いて

minä olen  sinä olet hän onと読んでいたら

 

「疲れてても好きなことはできるんだね・・・」

 

とくんくんがちょっと残念そうに言った。

 

くんくんは嫌味など言わないので、心の底からそう思ったのだ。

くんくんを傷つけるのはたやすい。

だからこそ、傷つけたくない。

 

じゃあと一話だけ読むことにした。

 

童話や歴史上の人物にフォーカスした漫画だ。

 

ファントムオブジオペラ。

 

お母さん、NYのブロードウェイでこのミュージカル観たよ。

と言ったらくんくんが興味深そうな顔をした。

 

しばらくファントムの話をして、くんくんはすっかり気が済んだようだった。

 

 

 

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これはコロネ。

くんくんが小学生の頃、一緒に作ったパン。

くんくんスペック

くんくんは動作がとてものろい。

 

とっても丁寧なのだけど、だから遅くなるのではなく

同時に2つ以上のことが出来ないからと言うのもある。

 

くんくんは花粉症なので、毎年この時季はユーカリのエアスプレーを作ってあげているのだが、いい加減、自分で作れるようになった方が良いよ、と言って、作り方を紙に書いて渡した。

 

それを見ながら自分で作っているのを見ていたけど、やっぱり、瓶に入れるときにこぼす、時間がかかる。

作りながらくんくんが言う。

 

「自分が不器用なのは知っているでしょう?

その上、時間がかかる。」

 

うん、知ってる。

 

「肉体的なスペックが魂に対して低すぎるんだよ。」

 

確かにそうですな。

くんくんの魂にはそもそも肉体は必要ないというか、おさまりきれないんだろうと思う。

以前、いってた

「肉体という容れ物に入れるために魂をギュッと圧縮してる。」

みんなそうなんだろう。

 

くんくんはそれでいらつくわけでもなく、

「持たざるものの気持ちを知るためにここにいる」

と言っている。

 

そうなると完全じゃない肉体に入っていることは、なるほど、と納得してしまう。

 

くんくんの左手は血管がぐるぐると渦巻いているので拍手をすることが出来ない。

強く握ったり、手のひらを押しつけるようなことも無理だ。

冬になると特に痛くなるんだそうだ。

 

手は神経がたくさん集まっているので手術は難しいと小学生の時に行った外科医の先生が言った。

リスクを冒してまでと判断して手術の方向はあきらめたのでぐるぐる血管とくんくんは共存している。

っていうか、血管もくんくんの体の一部。

 

くんくんは菌は共存しているものだと言って、清潔にしすぎないようにしている。

 

もちろんお風呂は毎日はいるし、何なら朝もシャワーしている。

でも日本人は普段から除菌しすぎてかえって抵抗力を弱めている結果になっていることをよく話している。

 

アルコール除菌など本当にしすぎは良くない。

常在菌まで殺してしまって、無防備になり、アルコールがなくなったときに誰も(いつも一緒に暮らしてる菌のこと)守ってくれないので余計に強い菌が来たときに防げない。

 

くんくんは病気をしない。

滅多にしない。

病院もたぶん生まれてから2回くらいしか行ったことがない。

赤ちゃんの時とあとは忘れた。

 

寝れば治るといって薬も飲まない。

 

本当に一晩でだいたい治っている。

 

真冬でも半袖のTシャツと短パンとビーサンは相変わらずだ。

 

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やっぱりスペックは低くはないのではないか?

 

 

人の目なんかどうでもいいんだ

くんくんは相変わらず花粉症である。

私はどうやら数年前から治ってしまっているようで、時々くしゃみが出たりする程度。

なぜくんくんは治らないのかなあ?と気の毒だ。

本人曰く、偏食のせい。らしい。

 

花粉症で咳が出ることも多い。

くんくんが咳をしていたので

今、咳するとまわりが嫌な感じになるでしょう?と同情すると、

 

「まわりなんか関係ない。

この症状がつらいという事実があるだけだ。

まわりがどう思うかなど心底どうでもいい。」

 

ああ、そうでした。くんくんは特にそうだし、人が思うよりももっとそうなんだ。

 

くんくんはもともと人とあまり会話をしない。

文字は理解するけど、言葉は理解しづらいそうだ。

でもその割に家では私とよく話すよね?ときいてみると

「精神活動は餌だから」

と言う。

 

ん?何の?

 

「強いて言うなら情報収集。」

何の情報?

「望みだけは大きくてそれを叶えることのできない人の願い」

そうか、前にも言っていた。

”持たざるものの願いを知るためにここにいる”って。

同じことだな。

 

「客観には意味を見出していない。

主観だけが全てだから。自分がどうか。」

人の目は関係ないという元の話に戻っている。

 

「なぜなら」

今日はくんくんは自分で話を進めてくれる。

 

「なぜなら、みるものは保障されてないから。

哲学的には自分のことすら保障されていない。

だから自分がどうか、だけだよ。」

 

これはサーンキヤ哲学をちょっと知っている人にはピンとくると思う。

 

みるものとみられるもの

プルシャとプラクリティ

 

たぶん、くんくんはこのことを言っているのかな?と思う。

 

そうだよね、私も大概人の目なんか気にしてなくて、流行などどうでもいいし、みんなと同じが嫌いで、自分がどうしたいか、自分がその状態が好きかどうかで生きて来た。

 

でも、くんくんはそれを100%徹底している。

 

恐怖や不安が人を包むと、一番恐ろしいのはヒトの心理である。

分け合えば足りるのに、集めて回る。

結果、必要なところに届かない。

マイノリティからマジョリティに立場が変わるとたちまち攻撃的になる。

戦争時がいい例だ。

緊急時にヒトがどういう行動に出るか、昔も今も変わらないようだ。

 

人の目はどうでもいいというのは、自分さえ良ければ人はどうでもいいというのとはまったく違う。例えば、人の話に惑わされるなと言うことだ。

 

私はくんくんほどは徹底できないけど、せめて自分の魂にそった生き方をしたいと思う。

くんくんと話をしていると気持ちがおだやかになる。

ありがとう、ここにいてくれて、と思いながらニッコリする。

 

 

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