くんくん哲学と修行中ヨーギ

哲学者くんくんと修行中ヨーギの日常会話

求道者

「コップがあります。

中に水が入っていてそれを人間とします。

水は純正を表します。

”何もない” を作って下さい。」

 

f:id:kunkunyogi:20190130081103j:plain

 

これが今日のお題。

 

コップを逆さまにして水を捨てる。

くんくんの話が早く聞きたいので、例によって浅い答えをとりあえず言う。

人間を捨てたらだめじゃないというのは自分でも言いながら。

 

「ヤスリで時間をかけてまわりから外側を残さないところまで、

少しずつまわりのコップを削っていく。」

 

ははあ!

それで中身はすべてに溶けるというわけか!!

 

ここからくんくんの話は加速する。

 

「いいかい?空であることと中味がないことは違うよ。

ただ水を捨てただけなら、あとから入って来た水はもっと汚れているかも知れない。

何かが入り込む余地を残したらいけない。」

 

「コップがなくなって散らばった何かが人としてたらしめる何かなのか?

それが人であるかどうかに何の価値もない。」

 

「削る順番にも意味があるよ。

最初に底に穴を空けて、水がなくなったらそれで満足してしまいそうだから、

残りの部分を削るのを怠りそうだし。

よそごとを入り込む余地を残していたら”空”は完成しない。」

 

「じゃあ、ヤスリで削っていくのは何故か?

それは削っている間でも、

本当にこれでいいのか?

このやり方で合っているのか?

何故削っているのか?

ずっと問い続けることができるからね。

それをグドウシャという。」

 

え?グドウシャ?

ドウは道だろうけどグは?

 

「求めるだよ。」

 

求道者ってキュウドウシャって読むのかと思ってた・・・

 

「まあ、明日になったらすっかり忘れているか、まったく180度反対のことを言っているかもしれないがね。

何しろ、時間も空間もないのだから、その時に正しいと思ったことが真実だよ。」

 

そう言い残してカイシャへ行った。