道
10年前に解散してしまったけれど、
昔、ネット上でダンスカンパニーを作っていた。
その公演のパンフレットに、それぞれメンバーに対して
どんな印象を持っているか、
自己紹介ならぬ他己紹介を載せた。
その中の一つ。
私のことを書いてくれたある人の、
「そこに道があるから歩くのではなく、歩いたところが道になる」
というのがすごく心に残っていて、
なぜなら自分でそう思ったことはなかったけど
言われてみたら、
本当に私の人生そうだったなとしみじみ思ったからだ。
それはスキーでも一緒で、コースを滑っているとだんだん飽きてきて、
自分で勝手に林間コースなどといって、
木々の間のまだ誰も足跡をつけていないところを滑るのが好きだった。
昨日、読んでいた本の途中に
「地上には元々道はない。多くの人が歩いたから道になったのだ。」
といったような言葉があり、魯迅の言葉らしい。
前出の彼が魯迅のこの言葉を引用したのかどうかはわからないけれども、
はー、これか~と思った。
胸に来る言葉というのは言い回しが違えども、
世界中で大昔から言い伝えられているのだな。
くんくんに話すと、
知らなかったのが不思議だな、使い回された言い回しだよ
と前置きして
「一人で歩いても道にはならない。
大勢の人がそのあとを続いて歩かなければね。」
と付け加えた。
魯迅パートⅡである。
そしてこうもいった。
「そもそもこの世界に道なんてものはないんだよ。
地球にしてみれば、全部自分の体だよ。」
規模が大きすぎて日常感覚でなくなってしまった。
やれやれ。